自然学習・研究機能調査検討会 最終報告書 平成14年10月 第1章 持続可能な未来を拓く基本的な考え方 |
最終更新日:2003/03/01
第1章 持続可能な未来を拓く基本的な考え方 1 自然環境をめぐる現状と課題 自然環境は、全ての生物の生存基盤であり、人間生活の真の豊かさや快適さの基礎になります。 「環境の世紀」といわれる21世紀を迎え、私たちは、地球的規模の環境問題や人口の増大に伴う資源・エネルギーの制約等に直面していますが、これらの問題はますます深刻になり、この解決なくして持続可能な未来はないという認識が、社会全体に浸透しつつあります。 今日の環境問題は、かつての産業活動に伴って発生した公害問題とは異なり、大量生産・大量消費に伴う大量の廃棄物の発生など、私たちの生活や産業活動に深く関わっています。 また、地球温暖化や発展途上国の公害問題等に見られるように、地球全体からの視点が重要になっており、私たち一人ひとりが地球市民としての自覚を持って、自然観を深め自然との共生を目指して行動することが必要になっています。 さらに、最近は、若者の理科離れ・自然離れが指摘されていますが、持続可能な未来を拓くためには、環境と調和した科学技術の革新の基礎になる自然科学の健全な発展も必要になっています。 2 自然学習・研究機能の重要性 自然環境をめぐる課題に的確に対応し、現在及び将来の県民の健康で文化的な生活を確保するとともに、人類の福祉に貢献するには、平成14年4月に策定された静岡県の新しい総合計画「魅力ある“しずおか”2010年戦略プラン−富国有徳、しずおかの挑戦」にあるように、「環境の世紀」を拓く“持続可能な社会”づくりに向けた一層の取り組みを進めることが大切であり、中でもそうした社会の構築に主体的に参画できる人づくりや自然に関する調査・研究機能の強化を進めることが鍵を握ります。また、県下の自然について理解を深めることは県の文化水準の向上や郷土に対する誇りを育成していく上でも重要です。 このため、環境及び環境問題に関する関心・意欲・態度、思考・判断、技能・表現、知識・理解を育み、実践力を培うこと、その基礎となる自然環境の調査・研究の水準の向上を図ることを目標に、自然学習・研究機能の充実を図ることがますます重要になると考えられます。 自然学習の機能の充実を図るためには、子供から大人までの発達段階に応じ、静岡県の自然についての総合的な学習の場や機会の充実を図ることが必要です。 また、それには、自然環境の現状と過去から未来に向けての変遷を把握するための豊富なデータ・情報を収集・整理し、その成果を県民の自然学習に活用できるような調査・研究の体制の充実を図ることも大切です。 自然系博物館のあり方についても、こうした自然学習・研究機能の充実を図るため何が必要かという県民サイドに立った検討を行うことが必要です。 ●目次 ●はじめに ●第1章 持続可能な未来を拓く基本的な考え方 ●第2章 自然学習・研究のあり方 ●第3章 自然学習・研究の拠点施設のあり方 ●第4章 自然系博物館の整備について 付録 検討資料等 資料 1 自然学習・研究機能検討会の目的と検討経緯 調査報告書 自然系博物館に関する県民アンケート調査報告書 (別冊) 学校教育と博物館に関するアンケート調査報告書 (別冊) topへもどる |