静岡県における自然学習資料保存事業について

事務局

最終更新日:2003年10月28日


静岡県教育委員会三島分室 静岡県では、消失や散逸が懸念される県内の絶滅種を含む貴重種や静岡県を特徴づける種などの重要な標本の収集・保存事業について、自然保護に関心のある県民と共働して実施することになりました。そこで、県では自然保護活動を行っている県内のNPO法人やボランティアグループなどの任意団体から、その事業実施のための企画提案を募集して、採用された団体と県が委託契約を結び、事業を定められた期間と方法で実施することになりました。

 この「自然学習資料保存事業」は、地域の雇用機会拡大を目的とした緊急地域雇用創出特別基金事業に基づく事業のため、作業員などを新規に7名以上雇用することが義務付けられています。

 事業期間は、平成15年9月上旬から平成16年3月19日までの約7ヶ月で、平成16年度も継続して事業が行われる予定です。今年度の委託予定額は600万円で、そのうち8割以上は人件費になります。標本等の整理や登録などの作業と保管を行う場所については、三島駅のすぐ北側(三島市文教町)にある静岡県教育委員会三島分室の3階と4階のいくつかの部屋が確保されています。整理保存にかかる備品や消耗品などの費用は、委託費とは別になります。

 この事業は、静岡県が平成13〜14年度に設置した自然学習・研究機能調査検討会で、散逸が懸念される標本・資料の収集・整理の必要性が強く指摘されたことを踏まえ、「自然学習資料保存事業」として実施されることになりました。今年の6月に、この事業を行うための「自然学習資料評価委員会」が設置され、貴重な標本・資料の、@受入の条件・基準、A管理・整理の指針、B収蔵施設の整備方針などの検討が進められ、7月末に「自然学習資料収集・保存の基本的考え方」という提案書がとりまとめられました。

 この事業は、基本的にこの提案書にしたがって行われますが、実施に当たっては「作業手順は提案書を基本としつつ、受託者と十分に調整を図り、効率的かつ効果的に実施すること」という留意事項が記されています。また、「静岡県へ寄附を申し出た方へは、標本・資料は県が適切に保管すること、学習・調査・研究に活用すること、寄附後の扱いは県に任せてもらいたいこと及び今回の受納が博物館建設を担保するものでないことを正しく伝え、その上で寄附者の意思確認をすること」ともあります。

 この事業は、県内の自然史標本の保存を訴えてきた私たちにとって、静岡県立自然系(自然史)博物館設立に向けての大きな第一歩にはちがいありませんが、県としてまだ博物館を設立するかどうか決めていない現在、博物館のための標本集めとは言えない立場にあります。ただし、標本等を集めるだけでなく、今後さらにこの事業を発展させて博物館設立に結びつけて行けるかは、この事業の成果しだいともいえます。また、集まった標本や標本収集・保管活動自体を、私たちの手で自然環境教育や研究に、積極的に公開して活用していくことも今後の活動の重要な部分となります。

 したがって、この事業での標本等の収集や整理保存作業に、会員みなさまの厚いご支援とご協力をお願いしたいと思います。


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登録日:2003年10月28日


NPO 静岡県自然史博物館ネットワーク
spmnh.jp
Network for Shizuoka Prefecture Museum of Natural History