県立自然史博物館の早期建設のための
私たちの考える自然史博物館の機能と規模

自然博ネット事務局

最終更新日:2007年9月20日



 第3回理事会で,私たちの考える県立自然史博物館について理事会での共通認識をもつために短い時間ですが話し合いをもちました。その内容を具体的に要約したものを提案します。施設の規模については北九州市立いのちのたび博物館(自然史・歴史博物館)程度のものです。

1.県立自然史博物館の目的と機能

 静岡県の豊な自然の現在を知り、未来にどのように生かすかを県民とともに考える場としての自然史博物館を目指します。そのために、展示施設としての博物館だけではなく、研究と収蔵を優先し、加えて交流と教育普及の機能を伴わせます。県内における絶滅や消失してしまう種の標本の保存はもちろん、自然の現状を調査研究し、県民とともにそれを生かし、後継者を育てることが現在の自然史博物館の最重要課題です。

2.県立自然史博物館の機能と業務

 現在静岡県の自然については、自然の実態である動植物の分布や生態系について自然環境の現状把握と基礎研究が組織的に行われていません。したがって、県内の自然環境の現状把握調査を組織的に順次行う必要があります。この活動は県内の自然研究会や地域の自然愛好家などの協力を得て行い、後継者育成もその目的に含めます。また、散逸の危惧される標本保存も継続しますが、現状把握調査で収集された標本保存も積極的に基礎資料として保存を行います。

 この活動を通じて県内の自然研究会や地域の自然愛好家との交流を積極的にはかり、交流会や観察会、展示会などを通じて普及教育活動を展開します。

3.施設の規模と機能

 前述した博物館の目的と機能から、研究と収蔵機能を優先し、交流と教育普及の場も設けます。規模としては、とりあえず全体で12,000 m2程度の延床面積を希望します。当初は大規模な展示場は必ずしも必要ではありませんが、3,000 m2の展示スペースを含めています。なお、展示については移動特別展などで、県内のサテライト施設を利用することも可能です。設置場所については、県民の利便および周囲を自然観察地として利用することを考慮すると、中部地区の有度山山麓が最適地として考えられます。

規模・空間の大きさ
研究スペース 2,000 m2 管理スペース 1,500 m2 交流スペース 500 m2 
教育スペース 1,000 m2 展示スペース 3,000 m2 収蔵スペース 4,000 m2 合計 12,000 m2

4.職員の人数と役割

 博物館の目的と機能から、各分野の専任の研究者を多数採用し、また専任の収蔵情報管理者および教育普及担当者も採用します。これら専任職員の補佐として嘱託職員を常勤または非常勤で配置して業務を行います。

 研究者は地学(化石・岩石)、動物(昆虫・無脊椎・脊椎)・植物(維管束・その他)、その他(地形・環境・生態系など)の分野をカバーできるようにします。

研究者 20名  収蔵情報管理者 5名  教育普及担当者 5名  事務職および嘱託職員は別

5.開設準備室の早期立ち上げ

 博物館の企画と建設には5〜6年を要すため、学芸員や専門スタッフを早急に配置し、一刻も早く「自然史博物館設立準備室」または「仮称 自然史研究センター」を県が立ち上げて、建設に向けて進んでもらいたいと思います。


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登録日:2007年9月20日


NPO 静岡県自然史博物館ネットワーク
spmnh.jp
Network for Shizuoka Prefecture Museum of Natural History