総会報告および資料
第7回総会・記念講演会の報告

発行:2000/06/01

伊藤 通玄
(自然博推進協事務局)


あいさつをする伊藤二郎代表 さる4月14日(日)13時半〜16時半に亘り、第7回総会が静岡県女性総合センター「あざれあ」第一研修室において開催されました。総会議事に先立って行われた記念講演は、三宅 隆 副代表の司会のもと、伊藤二郎代表の挨拶ののち、池谷仙之副代表から講師の紹介がありました。

 講師の岡崎美彦先生は、本年11月にJR北九州八幡駅ビルから八幡東区に移転・開館予定の北九州市立自然史博物館の諸活動を担われており、移転・開館準備のため超多忙にもかかわらずご来静くださり、同博物館のおいたち、活動内容、移転・拡充の取り組みを踏まえた「自然史博物館への提言」と題してご講演いただきました。紹介パンフ・スライドを交えた具体的なお話は静岡県の博物館づくりを考える上で大変参考になりました(参加者52名)。その要旨は先生自身のご執筆により、本号巻頭に掲載されていますのでご精読ください。

記念講演 記念講演には県企画部政策企画室の前田幹夫室長、高尾篤史主査も参加され、総会議事に先立ってご挨拶をいただくとともに、昨年度設置された自然学習・研究機能調査事業検討会の検討概要や本年度の事業計画についてお話しいただきました。

 総会議事は、朝倉俊治議長(日本野鳥の会静岡支部)のもと、前年度活動報告(資料1)・一般会計決算報告(資料2)・特別会計決算報告(資料3)を伊藤通玄が、一般会計・特別会計の監査報告を逢坂興宏監事(静岡大学農学部)が行ない、いずれも異議なく了承されました。なお、自然学習・研究機能調査事業検討会の検討状況について、柴 正博委員から関連報告がありました。

 引き続き、本年度活動方針案(資料4)の提案を池谷仙之副代表、予算案(資料5)の提案を伊藤通玄がそれぞれ行ないました。本年度活動方針案は、前年度活動方針から「しずおか自然図鑑の頒布を通じた博物館設立運動の強化」を削除し、新たに「静岡県の自然学習・研究機能調査事業検討会の検討状況などを踏まえ、NPO法人化を検討する」を加えて提案され、これに関する補足資料(資料6)の説明を三宅 隆 副代表が行いました。予算案(資料5)については、会計年度変更に伴う15ヶ月予算(昨年度)から、12ヶ月予算(本年度)に戻った関係で、予算規模が縮小したことが補足説明され、NPO法人化を含む今後の活動を巡る質疑・提言があり、活動方針案・予算案は原案通り可決・承認されました。

 最後に本年度役員案の提案があり、新役員2名(*印)を含む14名が承認されました。
代 表 伊藤 二郎(静岡植物研究会)  
副代表 池谷 仙之(静岡県地学会)       副代表 三宅 隆(野鳥の会静岡支部)
運営委員 板井 隆彦(静岡淡水魚研究会)  伊藤 通玄(静岡県地学会)
 柴  正博(地団研静岡支部) 杉野 孝雄(掛川草の友会)
 杉山 恵一(静岡県高山植物保護協会)  清  邦彦(静岡昆虫同好会)*
 高橋 真弓(静岡昆虫同好会)   延原 尊美(静岡県地学会)*
 湯浅 保雄(静岡植物研究会)

会計監事 逢坂 興宏(静岡大学農学部)   諏訪 哲夫(静岡昆虫同好会)
 なお、総会定足数は29名(172名×1/6),実出席は37名、委任状提出は26名でした。



第7回総会資料1
平成13年度活動報告
(平成13年1月〜平成14年3月)
  • 2001年(平成13年)
  • 2月17日: 第1回運営委員会を開催(会員・会計報告、第6回総会・記念講演会の準備、推進協通信第19号の構成・内容、「しずおか自然図鑑」の取扱いなどを協議)。
  • 3月15日: 推進協通信第19号を発行(第6回総会予告、カラーグラビア「しずおか自然図鑑」、空港建設地周辺観察会報告、特集「榛原の自然」、コラム「しずおかの自然」、 海外博物館巡り、第6回総会関連資料、事務局だより、会員名簿など)。
  • 4月14日: 第6回総会を開催(静岡県女性総合センター、記念講演:中川志郎茨城県立自然博物館長、総会:00年度活動報告・決算報告・監査報告、01年度活動方針案・予算案・会則一部改正案・役員案などの審議など)。
  • 4月26日: 福山嗣朗県企画部長と懇談(推進協の活動と要望、企画部長の見解を伺う。)
  • 5月12日: 第2回運営委員会を開催(会員・会計報告、「しずおか自然図鑑」頒布活動、推進協通信第20号の内容、掛川周辺野外観察採集会の検討など)。
  • 6月1日: 推進協通信第20号を発行(掛川市化石産地周辺観察採集会予告、カラーグラビア「自然博推進協HP」、第6回総会報告、記念講演要旨、海外博物館巡り、会員・事務局だより)。
  • 7月23日: 掛川市内化石産地周辺観察採集会を実施(18名参加)。
  • 8月18日: 第3回運営委員会を開催(会員・会計報告、「しずおか自然図鑑」頒布活動報告、推進協通信第21号の内容、自然学習・研究機能調査事業検討会への対応など)。
  • 9月1日: 推進協通信第21号を発行(福井県立恐竜博物館・周辺見学会の予告、カラーグラビア「現れては消えてゆく地質の記録」、掛川市化石産地周辺観察採集会報告、自然学習・研究機能調査検討会報告1、自然史博物館関連資料、海外博物館めぐり、会員・事務局だより)。
  • 10月13-14日:福井県立恐竜博物館・周辺見学採集会を実施(16名参加)。
  • 11月9-14日:寺田 徹「駿河湾の貝」展を開催(アゴラ静岡しずぎんギャラリー)。
  • 11月17日: 第4回運営委員会を開催(会員・会計報告、「しずおか自然図鑑」頒布完了報告、自然学習・研究機能調査検討会報告2、福井県立恐竜博物館・周辺見学採集会報告、掛川層群化石シンポ報告、寺田 徹「駿河湾の貝展」報告、推進協通信第22号の構成・内容を協議)。
  • 12月6日: 推進協通信第22号を発行(カラーグラビア「寺田 徹:駿河湾の貝」展、福井県立恐竜博物館・周辺見学会報告、自然学習・研究機能調査検討会報告2、自然史博物館関連資料、コラム「しずおかの自然」、「駿河湾の貝」展、会員・事務局だより)。
  • 2002年(平成14年)
  • 2月16日: 第5回運営委員会を開催(会員・会計報告、自然学習・研究機能調査検討会報告3、台湾国立自然科学博物館等の見学会・第7回総会議案・推進協通信第23号内容などの検討)。
  • 3月10日: 推進協通信第23号を発行(第7回総会・記念講演会予告、カラーグラビア、「東海大学自然史博物館の移設・リニューアル」、自然学習・研究機能調査検討会報告3、自然史博物館関連資料、海外博物館巡り4、コラム「しずおかの自然」、会員・事務局だより)。
  • 3月16日: 第6回運営委員会を開催(会員・会計報告、自然学習・研究機能調査検討会報告4、第7回総会議案・02年度運営体制・台湾国立自然科学博物館等見学会の検討)。
  • 3月24-27日:台湾国立自然科学博物館等の見学・観察会を実施(9名参加)。



第7回総会資料4
平成14年度活動計画
(平成14年4月〜平成15年3月)

  1. 自然史系博物館に関する施設整備や諸活動に関する講演会・見学会などを開催する。
  2. 静岡県立自然史博物館(中核館・地域館)候補地周辺の現地調査・観察会を実施する。
  3. 静岡県が進める博物館関連調査、標本・資料等の整備・データベース化に協力する。
  4. 野外観察会、標本・資料展示会等の共催または相互協力に努める。
  5. 自然博推進協通信およびホームページの充実(博物館関連情報の共有化)に努める。
  6. 自然を愛する幅広い個人・団体に入会を呼びかけ、組織・財政・活動の強化を図る。
  7. 静岡県の進める自然学習・研究機能調査検討会の検討状況などを踏まえ、NPO法人化を検討する。



第7回総会資料6

なぜ、NPO(特定非営利活動法人にする必要があるのか?)

 静岡県立自然史博物館設立推進協議会(自然博推進協)は、平成7年に設立されて以来、自然史(系)博物館の建設を強く要望し続け、各種の活動をしてきました。その間、基本構想策定にむけての調査費が予算化され、建設にむけての機運が高まった時期もありましたが、バブルの崩壊、県財政の悪化、箱物行政への批判など、種々の悪条件が重なり、私たちの要望は叶えられないままに推移しました。

しかし、これまでの粘り強い運動の成果として、静岡県は昨年度「自然学習・研究機能調査検討会」を立ち上げ、自然系博物館に関する県民ニーズや役割などについて検討を重ね、自然系博物館について「一定の県民ニーズが存在する」、「出費を上回る効果が期待できる」などの中間報告をまとめました。この検討会は今年度も継続されることになり、自然学習・研究機能を持つ施設としての博物館の必要性、具体的活動内容や設置方法について検討される予定です。

 静岡県は重要施策として、県事業に対するNPO団体との協働を推進していく方針を表明していますし、すでに実施されている事業もあるようです。これまで私たちは民間研究団体・自然保護団体を中心とした協議会として県に要望や提案を行なってきましたが、これらの要望や提案を実現するためには、県と協働して博物館設立に努める必要性を感じています。

 そのためには、発展的にこの協議会をNPO法人化して、時には県の博物館関連事業を受託し、自然史(系)博物館の早期設立を推進したいと考えています。法人化にあたっては、下記の通り多くのメリットとともに問題点がありますが、一刻も早く自然史(系)博物館の設立を実現するために、NPO法人化を具体的に検討したいと思います。

☆ NPO法人化した場合のメリット
  1. 社会的な信用が高まる。
  2. 県との協働に参加できる。
  3. 資産保有や財産管理がしやすい。
  4. 寄付や助成など、活動資金を得やすい。
  5. 組織の成長や会員の参加を得やすい。
  6. 永続的・安定的組織体として認知される。
★ NPO法人化した場合の問題点
  1. 会計処理などの事務の煩雑化。
  2. 税務署などへの申告が必要となる。
  3. 法人税・地方税などが課税される。
  4. 関係書類の整備・縦覧・保存が必要。
  5. 総じて事務量が増し複雑化する。



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登録日:2001年6月4日