いよいよ開館にむけて、第二ステップへ

事務局

最終更新日:2011年3月27日



 静岡県の自然系博物館設立に関する具体的な事業としては、平成13-14年度に行われた自然学習・研究機能検討会の提言を受けて始められた、散逸が危惧される自然史資料の収集保存事業があります。この事業は、平成15年から7年間に渡り、当NPOが委託を受けて実施してきました。その間、収集保管された資料は30万点余におよび、着実に貴重な資料が集まってきています。
 今回、静岡県議会2月定例会において、民主党・ふじのくに県議団による代表質問で、「自然史資料を活用した新たな活動拠点の整備について」という質問に川勝県知事が答弁されました。2月17日の県議会には、当NPOの理事4人も傍聴し、知事の答弁について固唾を呑んで見守りました。その内容について概要をお知らせします。
 質問要旨は、「本県の自然の価値を十分に知り、感謝する気持ちを育てていくことが、『住んでよし、訪れてよし』の理想郷を作り上げていくことに結びつくだけでなく、郷土の自然を大切にする有徳の人材育成に結びつくと考える。新総合計画基本計画においても、自然史資料を活用した新たな活動拠点の整備を検討するとしているが、どのような検討を行っていくのか、また、どのような拠点施設を想定しているのか伺う。」という内容でした。
 それに対して、川勝知事の答弁は、「県民が本県の自然を身近に体験し、県議が言われるように『まるごと博物館』にすることが目的でございます。その素晴らしさに感動したり、生涯にわたり自然に関心を持って学べるようにすることは、自らが住んでいる地域を良く知り、愛し、そしてより良い生き方を学ぶために大切なのであります。 そのことが『ふじのくに』に徳のある人材が生まれてくることにも通じていると存じます。」
 「そのため、現在所有しております自然史資料につきましても、収集や保管するだけではなく、県民が直接見たり触れたりすることによって自然の魅力を実感したり、自ら自然について学べるように活用することが重要です。自然史資料を活用した新しい活動拠点につきましては、従前の博物館のように展示機能を主体としたものというよりも、いつでも誰でも、本県の自然についての知的探求心を満たし、そしてまた関心を感知し、それを通して身近に体感することのできる機能を備えた、研究活動、生涯学習などに役立つ拠点となるように検討しているところです。」
 「活動拠点となる施設につきましては、厳しい財政状況、早期に供用できるのが望ましいということも考慮して、例えばでございますが、再編が予定されている県立静岡南高等学校の校舎なども、既存の公共施設の活用という観点で検討の余地があると存じます。」と、活動拠点について、具体的な候補地をあげて、実施に向けての積極的な発言がなされました。
 さらに、静岡新聞報道記事によると「県地域政策課によると、再編後の静岡南高(静岡市駿河区)は最有力候補で、2014年のオープンを目指す。施設規模や静岡大学と連携しやすい立地、すでに県民に知られた施設であることなどが理由」とありました。
 思えば、平成8年、静岡県立自然史博物館設立推進協議会を立ち上げてから14年。NPO法人静岡県自然史博物館ネットワークに替わってから7年を経過し、やっと我々の運動が認められ、花開きそうです。この新拠点の整備については、我々も静岡県に協力して、よりよいものになるよう働きかけていきます。

写真は自然史資料を活用した新たな活動拠点の候補地にあげられた静岡南高校


自然史しずおか第32号の目次

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登録日:2011年3月27日


NPO 静岡県自然史博物館ネットワーク
spmnh.jp
Network for Shizuoka Prefecture Museum of Natural History