コレクション紹介(7) 北條善一氏の甲虫類標本 平井 克男 |
静岡昆虫同好会会員で主にチョウ類を採集し研究されている北條善一さんより、昨年お話を頂き、氏の所蔵されている昭和20年代後半の甲虫類の標本の整理、同定を行ってきました。 内訳を見ますと、ハンミョウ科8種、オサムシ科21種、コガネムシ科47種、タマムシ科21種、コメツキムシ科45種、カミキリムシ科137種、オトシブミ科22種、ゾウムシ科55種などを中心として総数1,670頭で大型ドイツ箱に8箱になりました。 北條さんの甲虫標本を拝見して、彼にお会いした時、私は「昔あれだけ甲虫を採集されていたのに継続してやっていただければ・・・・」と残念に思いお話をした次第です。彼の標本データの採集地から、実家のある東京都杉並区及び三鷹市、奥多摩など、群馬県谷川岳周辺、勤務地であった静岡県及び山梨県、長野県が活動の中心であったと思われます。 東京都及び周辺の標本については、現在宅地化、都市化が進んでしまっていることから貴重なものが多いと思われます。 彼の標本の中から貴重な種をリストアップしてみると、カワラハンミョウ、トウキョウヒメハンミョウ、ムネアカセンチコガネ、キンヘリタマムシ、チャイロホソヒラタカミキリ、アカアシオオアオカミキリなどがあります。 北條さんは定年されても、なお昆虫に対する意欲衰えず、海外に旅行された折は観光だけでなく、これまでの昆虫の意識をもとに採集に励んでおられます。スペインやギリシャなどを訪れヨーロッパのチョウの採集をされています。9月に静岡市内で行われた昆虫同好会談話会では、それらの標本を持ってきてくださいました。私は、それらを見せていただき新たな感動をいただいて感謝しております。 |
自然史しずおか第15号の目次 自然史しずおかのindexにもどる Homeにもどる 登録日:2007年9月20日 NPO 静岡県自然史博物館ネットワーク spmnh.jp Network for Shizuoka Prefecture Museum of Natural History |