2005年度静岡県学習資料保存事業の報告 横山 謙二 |
本年度の静岡県学習資料保存事業については、おもに湯浅氏植物標本の整理作業と昆虫標本仮評価作業が行われました。 湯浅氏植物標本は、前号でも紹介しましたように65,000点以上の膨大な標本コレクションであるため、今年度だけではその一部が整理されたにすぎず、当分、過酷な整理作業が続きそうです。 昆虫標本については、静岡県自然学習資料保存事業が開始した2003年11月から2005年3月にかけて整理作業が進められてきました。それらには、清 邦彦氏、中村浩三氏、高橋真弓氏、諏訪哲夫氏、北條篤史氏、田村茂策氏、平井克男氏、小林國彦氏の8つの昆虫コレクションがあります。これらのコレクションでは、これまで整理した標本の総計が約30,000点にのぼり、整理された標本のすべてを今年度中に仮評価することができました。 これらの標本は、これまで専門家の高橋真弓先生、諏訪哲夫先生、平井克男先生と保存室スタッフの石川智美さん、土屋たかみさん、春田亜紀さん、榊原英幸さん、森 義之さん、加須屋真さん、大石久雄さん、足立京子さんと私の計11人により作業が進められ、ようやく仮評価までこぎつけることができました。作業に関わってくださった専門家の先生およびスタッフの皆さんに、感謝いたします。 その他、これまでに搬入されたもので現在整理作業中の標本コレクションは、池谷氏化石コレクション(約120点)、静岡地学会コレクション(約2,300標本)、鮫島氏岩石鉱物コレクション(約360点)、長沢氏岩石鉱物コレクション(約1,500点)、林氏植物コレクション(約50点)、寺田氏岩石鉱物コレクション(約50点)、北條善一氏昆虫コレクション(2,000点)の7コレクションで、標本数は合計で約6,400点あります。これら標本の他にも、正確な数はわかりませんが、ダンボール約80箱分の自然史にかかわる寄贈図書があります。これからの事業では、これら標本と寄贈図書の整理、さらに仮評価作業を行っていく予定です。 また、2006年度以降に搬入が予定されている標本として、浜名湖花博の時に整理された植物標本とレッドデータリスト種などの標本があげられています。しかし、現在の標本室はすでに標本で埋め尽くされそうな状態で、今後の事業の経過とともに標本室の拡張も必要となっていくことでしょう。 |
自然史しずおか第12号の目次 自然史しずおかのindexにもどる Homeにもどる 登録日:2007年9月20日 NPO 静岡県自然史博物館ネットワーク spmnh.jp Network for Shizuoka Prefecture Museum of Natural History |