静岡県の化石(2) 掛川のサメの歯化石 横山 謙二 |
サメは、軟骨魚類のため骨は化石になりにくいのですが、かわりに硬い組織のエナメル質(エナメロイド)・象牙質で構成されている歯が化石として産出します。掛川層群大日層から産出するサメの歯化石は20種程産出しています。そのサメの歯化石の大きさや形は、種類や歯が生えている位置によって、さまざまです。ここで、掛川を代表するサメの歯化石を紹介しましょう。 掛川層群産の最大級の歯は、人食いザメとして知られるホホジロザメの歯化石です。ホホジロザメの歯は、細長い二等辺三角形型で、両切縁に鋸状のギザギザ、鋸歯を持つのが特徴です。前歯の大きい歯になりますと8cm程にもなります。 最小の歯は、ツノザメの歯です。ツノザメの歯は、ほんの2mm程の大きさしかありませんので、目の細かいふるいで丹念に探さないとなかなか見つけられません。 形の変わった歯には、ネコザメの歯があります。見てのとおり、前歯は尖がった歯をしていますが、奥歯(側歯)は半円状の咬合面をしています。この側歯で硬い貝殻を噛みつぶします。 これら掛川層群大日層から産出するサメの歯化石は、現在も生きているものがほとんどです。産出化石種の現在の生息環境を調べてみると、亜熱帯地域の陸棚地域に生息している種が多いことがわかります。 |
自然史しずおか第10号の目次 自然史しずおかのindexにもどる Homeにもどる 登録日:2007年9月20日 NPO 静岡県自然史博物館ネットワーク spmnh.jp Network for Shizuoka Prefecture Museum of Natural History |