三島ミニ博物館「静岡県の自然」 が開催されました 横山 謙二 |
2004年8月23日(月)から8月29日(日)まで、県教育委員会三島分館の自然学習研究資料保存事業の作業室で、NPO自然博ネット主催で「ミニ博物館 静岡県の自然」が開催されました。 この展示会は、静岡県が自然学習研究資料の収集と保存を行うために、NPO自然博ネットがその事業を受託して登録整理作業を行っていること、そして、それらの資料をもとに静岡県の自然を多くの人に理解していただくために開催されました。さらに、この事業を継続するとともに静岡県立自然史博物館の必要性を多くの人に知っていただくと同時に、子供たちのためには夏休みの自由研究の相談会という目的もありました。 ミニ博物館は、三島分館4階の資料保存事業作業室の半分のスペースを展示会場にして、「日本・世界の昆虫標本」、「静岡県の植物標本」、「掛川層群の化石標本」、「ナウマンゾウ化石標本」など、これまでにこの事業で標本整理をしてきたものの代表的な一部を展示しました。窓側には窓からみえる風景を解説する「静岡県東部の地形」を設けました。また、静岡県自然史博物館設立推進協議会からの本NPO自然博ネットの活動や自然史博物館に関する資料なども展示しました。来館者にゆっくりと楽しんでいただくために、ライブラリーコーナーやスライドショー、化石体験発掘コーナーなども設けました。
28日(土)と29日(日)の両日は、28日が「昆虫の日」、29日が「化石の日」として、それぞれの専門家によるギャラリートークが開催されました。28日は加須屋 真さん(トンボの話)と清 邦彦さん(蝶の話)、29日は田邊 積さん(掛川の化石の話)と柴 正博(化石と地層の話)が行われました。展示会場で開催されたギャラリートークは、とてもフレンドリーな雰囲気で気軽にいろいろな話を聞くことができました。 加須屋さんには、トンボの種類や幼虫からヤゴ、成虫となるトンボの生態の話、また静岡県で見られる代表的なトンボの話をしていただきました。ギャラリートークの後にひきつづき行われた3階にある標本保存室の見学では、標本箱の中のトンボの標本を見ながら、種類のちがいやトンボの生態についてくわしい話を聞くことができました。 清さんには、蝶は蛾の一部であることや、蝶は種類ごと食べるものがちがうこと、蝶のたくみな保護色の話、最近増えてきた蝶や減ってきた蝶の話、それとあわせて自然環境の変化の話もしていただきました。 田邊さんには、20年間つづけてきた掛川の化石採集についての体験談や化石のクリーニングの仕方、子供たちといっしょに化石採集をする楽しみなどを話していただきました。 柴さんには、化石とはなにか、化石をふくむ地層が過去の時代の記録をとどめていること、地層は不連続であること、そしてそれらを調べて静岡県東部の過去のようすがわかってきたことなどを話していただきました。トーク後も、多くの方が残られて質問され、恐竜や地震の話などの話題がつづいていました。 展示会には、平日に毎日40名程度の方が、土日には60〜70名の方が訪れ、総計400名ちかくの方が期間中に見学にいらしてくださいました。それらの方々は、地元の三島市はもちろん沼津市など御殿場市など近隣の市だけでなく、静岡市や遠くは浜松市からもこられた方がありました。また、静岡新聞や朝日新聞にもこの展示会の記事が掲載され、静岡朝日テレビでもニュースの時間に紹介されました。 小さなミニ博物館でしたが、このような標本保存事業が行われていたことをはじめて知って驚いていた方もあり、また自然史博物館の必要性を強く望んでいる方たちにも会うことができました。子供たちは化石クリーニングがとても楽しかったらしく、何度も会場にこられた家族連れもありました。 このミニ博物館の機会に、本NPOに入会された方も3名おられました。全体として、こじんまりとしていましたが、いろいろな方に知ってもらえる機会があり、また来られた方からも喜ばれたことから、今回のミニ博物館を行った成果は十分にあったのではないかと思います。 |
自然史しずおか第6号の目次 自然史しずおかのindexにもどる Homeにもどる 登録日:2004年9月21日 NPO 静岡県自然史博物館ネットワーク spmnh.jp Network for Shizuoka Prefecture Museum of Natural History |