臨時総会資料

特定非営利法人「静岡県自然史博物館ネットワーク」
設立趣意書(案)

発行:2002/09/10



1 趣 旨


 日本の最高峰であり活火山でもある「富士山」、3000m級の高峰10座を擁する南アルプス、豊富な深海魚を育む「駿河湾」、多様な水族を誇る浜名湖、そして豊富な温泉と火山に恵まれた伊豆半島など、静岡県は実に多様な自然に恵まれています。その原因として、静岡県の中・西部はユーラシアプレートの東縁に、東部・伊豆半島は北米プレートとフィリピン海プレートの境界域にあり、活発な地殻変動が繰り返されてきたことがあげられます。その結果、実に多様な地形・地質・気象・土壌・水環境に恵まれ、多種多様な動植物や自然景観を愛し観察・研究することができます。そして、これらの様々な自然を愛し、調査・研究する団体や個人が多数活躍しています。

 しかしながら、これらの研究成果を収集・保管・展示・広報する自然史系博物館は少なく、特に県立・公立の自然史系博物館は1館もありません。様々な要因によってこの豊かな自然が失われつつある現在、残された貴重な自然を県民の財産として子どもたち・孫たちに引き継いでいくためにも、また、本県を訪れる県外・海外の人々に本県の魅力である多様な自然を具体的に紹介するためにも、県立の自然史系博物館の設立は必要不可欠です。

 私たちは県立の自然史系博物館の一日も早い建設をめざし、自然保護・環境復元・自然研究者の集団としての知識・経験を活かし、行政当局と協働して自然保護・環境復元の普及・啓発、先人が残した貴重な標本・資料の散逸防止や維持管理、博物館建設に関する様々なアドバイスなどを行い、最終的には自然史系博物館の運営支援に関わることを展望して、この特定非営利活動法人を設立することにいたしました。
 
2 申請に至るまでの経過

 この法人の前身である「静岡県立自然史博物館設立推進協議会」は、平成7年5月に「静岡県に県立自然史博物館を!」を合言葉に、県内の民間研究団体25団体および140個人で結成されました。これまでに取り組んできた主な活動は、国内の代表的な自然史系博物館の視察、自然史系博物館関係者による学習講演会の開催、これらを参考にした県知事あての要望書・提案書の提出と懇談、県企画部による標本調査への協力、さらに「ミニ博物館“静岡県の自然”」や野外観察会の開催、「しずおか自然図鑑」の発刊、会報「自然博推進協通信」(年4回)の発行などです。

 これらの活動をより強力に推進するためには、「静岡県立自然史博物館設立推進協議会」を発展的に非営利活動法人(NPO)化し、県当局の関連事業に協力しつつ運動を進める必要性を痛感し、今回申請することにいたしました。

2002年 9月  日
特定非営利活動法人 静岡県自然史博物館ネットワーク
 設立代表者
(住所又は居所) 
(氏   名) 池谷 仙之



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登録日:2002年9月10日