私たちは、静岡県の自然を調査研究し、
標本資料を収集保存し、
その成果を将来に伝え、教育と生活に役立てるための
静岡県立自然史博物館の設置を強く希望しています。
東西のフロンティア ふじの国しずおか
フォッサマグナで境する東と西の最前線。そして日本一高い富士山と日本一深い駿河湾。多彩で豊かな静岡県の生物相は、自然のおいたちをぬきには語れません。豊かな自然は静岡県の財産です。しかし、私たちは日々変化している静岡県の自然について、どれだけのことを知っているでしょうか。これまで、個人の努力で積み上げられてきた静岡の自然に関する研究資料は現在散逸の危機にあります。これらの資料が保存され、組織的に静岡の自然の調査と管理、そして教育が行われるために、できるだけ早く県立自然史博物館が設立されることが必要です。
自然史博物館とは
私たちの考える静岡県立自然史博物館は、静岡県の多様で豊かな自然の現在とそのおいたち、多様な自然と人々とのかかわりについて調査研究(自然史研究)を行って、現在の自然の把握と各種の標本や情報の収集保存(自然管理)をするとともに、積極的な情報公開(自然情報)を行い、静岡県の自然ついて理解を深める(自然史教育)ための場です。また同時に自然史博物館は、地球や地域の自然を愛し、自然史博物館の活動を支える人たちの活動と交流の場でもあります。すなわち、自然史博物館は自然について教えるための単なる展示施設ではなく、地域の自然史情報センターとしての機能をもつ研究教育機関です。
県立自然史博物館の位置づけ
静岡県立自然史博物館は、県立大学や自然環境部、教育委員会などと強くリンクして、環境行政および環境教育に関する活動に参加できることが望まれます。
自然史博物館の構成
自然環境資料の調査・収集・整理・研究・保存・保管・データベース化・情報提供を行う「資料情報センター」(中核館)と、地域の特性を生かして県内各地に計画的に整備する「地域活動・交流センター」(地域館)で構成し、これらの間を情報ネットで結ぶことを希望しています。地域館には、伊豆半島、富士山、南アルプス、牧之原、小笠山、浜名湖、駿河湾・遠州灘、そのほかに朝霧高原、大仁町狩野川河畔、気多川流域なども考えられます。
各施設の機能
中核館の調査研究・情報処理・収蔵管理するための整備は優先して行い、展示・交流・サービス棟や付属施設などを段階的に整備するよう希望します。付属施設については、自然観察園(ビオトープ)と野生鳥獣保護センター、屋外実験・実習施設、簡易宿泊施設などがあります。地域館については、従来ある施設の活用と自然史博物館の分館としての機能の拡充を段階的に行っていく必要があります。
早期設置にむけて
自然史博物館は基本構想の策定から最低6〜7年の準備期間が必要なので、専門家・有識者による基本構想検討委員会を設置して基本構想を策定し、資料収集のための調査・研究・情報処理を担当する専門職員(研究職・教育職・技術職)を確保して、博物館設立準備室を速やかに設置する必要があります。そして、収集・保管・情報処理に必要な機能をもった仮資料館を確保し、学識経験者・民間研究団体・環境ボランティアなどの協力のもとに、収集・寄託資料の整理・評価・情報処理(データベース化)を進めるべきです。
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登録日:2001年3月6日
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