自然観察会報告
フィールドワークたいけん 化石採集と地層見学

延原 尊美

最終更新日:2007年9月19日


  

 2007年8月25日(土)に、袋井市?掛川市に広がる掛川層群を見学対象に、「化石採集と地層見学」の会を行いました。自然博ネットの会員以外からも一般参加者を募り、定員40名を超える多数の応募がありましたが、残念ながら当日はキャンセルが重なり、大人9名、小学生以下のこどもたち14名、引率3名の参加となりました。

 参加者は、午前10時30分に袋井市役所に集合し、バスおよびサポート車1台にて出発しました。バスの中では、受付の際に手渡した「化石採集安全クイズ」に記入いただきました。これは、野外活動における危険ポイントをイラストで示したもので、安全意識をみなさんで高めていただきました。11時頃、掛川市飛鳥の大日層の見学地に着。ここには、約200万年前の沿岸域に堆積した砂層が露出しています。

 今回は特に化石密集層がそのまま石灰化したブロックが中央空地に集積されており、大人も子供もたくさんの化石を簡単に採集することができ、大いに満足だったようです。これで「採集心」に火がついたのか、掛川球場で昼食・休憩後、掛川市上板沢の土方層の見学地でも、みな壁にへばりつき壊れやすい化石を丹念に取り出しておられました。土方層は大日層とは異なり、水深200mほどに堆積した深海性の泥の地層で、でてくる貝化石や堆積構造などの地層の様子の違いに見入っている方もおられました。

 土方層の見学地には14:00ごろ到着し、炎天下の熱中症も心配であったため15:00には袋井市役所へ引き返しました。帰路のバスの中、「化石採集安全クイズ」回答者の中から抽選で3名の方に、「アンモナイト」、「三葉虫」、「(当日採集された)ギンエビス」の化石をそれぞれ進呈しました。夏休みの思い出として、楽しく充実した1日となっただけでなく、生涯この自然史体験がこどもたちに根づかんことを祈りたい。

 反省点としては、参加の締め切りを先着順にしたことで、常に応募漏れとなる方がでていることがあげられました。今後は、申し込み締め切りを設定したのち、その中から抽選を行う等の対応策を検討したいと考えます。最後に、袋井市教育委員会および掛川市教育委員会には広報に関しましてご協力をいただきました。とくに袋井市教育委員会の皆様には、バスの運行そのほか細かな点に至るまで多大なご協力をいただきました。また、化石採集に関しては後藤興業および中遠農林事務所に許可いただきました。ここに記して感謝いたします。


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登録日:2007年9月19日


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