今年度の静岡県自然学習資料保存事業

横山 謙二

最終更新日:2007年9月20日



 現在、静岡県の委託事業として自然学習資料保存事業室に集められた昆虫・植物・地質・貝類の総標本数は、102,355標本にも及びます。そのうち今まで3年間の事業で仮評価・登録済んでいるものが5,882標本、仮評価中のものが20,535標本、仮評価準備中のものが925標本です。また、これから受け入れる予定の標本が163,000標本あります。

今年度の事業進行状況

 今年度の自然学習資料保存事業は、平成17年6日14日に教育委員会三島分館から、静岡市清水区中部健康福祉センター庵原分庁舎に資料などが移転し、7月1日から事業が開始しました。事業は、標本室や事務室の設営や荷物、および図書の整理作業と同時に湯浅保雄氏植物標本の整理作業からとりかかりました。
図書は、古生物学会の蔵書を中心に事務室の隣の部屋に図書室を設営し、整理をしました。しかし、蔵書が多いため本棚に入りきらず、現在全部の図書が整理しきれていない状況です。また、湯浅氏植物標本は65,000標本もあり、整理と受入作業に時間がさらにかかりそうです。また、9月15日より小林國彦氏昆虫標本の受入作業にとりかかりました。小林氏標本は、主に静岡県と山梨県産のチョウの標本です。標本数は、90箱7,000標本もあります。現在、これらの標本の受入台帳を作成し、2/3ほど終了しています。今年度の事業としては、この小林氏昆虫標本と現在仮評価中の高橋氏や清氏、諏訪氏の昆虫標本20,535標本の仮評価と登録を済ませる予定です。
 
施設内の状況

 静岡市清水区中部健康福祉センター庵原分庁舎の1階は、難病相談福祉センターが入口にありますが、左奥のスペースが資料保存事業に割り当てられています。その部分には、標本収蔵室、旧レントゲン室、旧現像室があります。標本収蔵室は、地質および貝類標本室として使用し、現在は部屋の半分に棚を組み、標本が保管されています。旧レントゲン室は、現在は乾燥機と冷凍庫がおかれ、標本処理室として利用しています。また、旧現像室は現在使用していません。

 2階は、階段を上った正面左側のスペースに、事務室と倉庫、図書室、植物標本室、昆虫標本室を配置しました。なお、2階の左奥のスペースは中部健康福祉センター庵原分庁舎の事務所になっています。図書室は、古生物学会の蔵書、池谷文庫、土文庫等の地質学関係の図書で、すでにいっぱいでになっています。倉庫は、未整理の図書やミニ博物館の展示パネルなどを収蔵してあります。植物標本室は、部屋の半分が湯浅氏植物標本で占められ、残り半分のスペースは植物標本の整理作業に利用しています。昆虫標本室は、その1/3ほどのスペースが昆虫標本の収蔵に当てられ、残りは昆虫標本の整理作業スペースとして利用しています。また、外の倉庫は、湿気が強く紙類を保存するには不向きで、また重量物に耐えられる床ではないため、現在利用していません。

 まだ利用しきれていない部屋がありますが、収蔵スペースとしてはそれほど余裕もなく、また図書になども書架がなく整理できない状況です。今後予想される搬入標本の量などを考えると、今借りているスペースだけでは、収まりきれなくなるのは間違いありません。

自然学習資料保存事業室の連絡先
住所 424-0806 静岡市清水区4丁目4-17 中部健康福祉センター庵原分庁舎2階
電話 0543-67-2111


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登録日:2007年9月20日


NPO 静岡県自然史博物館ネットワーク
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