2006年4月に
石川県立自然史資料館が仮オープン!

事務局

最終更新日:2007年9月20日



 私たちと同じように「県立の自然史博物館を!」という活動は、全国でもいくつかの都道府県で行われています。その中で、来年4月に石川県立自然史資料館が仮オープンすることになりました。この設立にあたっては、石川県自然史系団体協議会が中心になった「石川県に自然史博物館を実現する会」の活動があってのことでした。ここでは、石川県での自然史博物館設立への活動の経緯や石川県立自然史資料館の概要、さらにNPO化する石川県自然史系団体協議会の今後の活動について、資料をもとに紹介します。「石川県に自然史博物館を実現する会」副会長の古池 博氏にはいくつかの資料を送っていただき、お世話になりました。

石川県立自然史資料館設置への活動と経緯

 1968年に旧第四高等学校の校舎に設けられた石川県郷土資料館には自然史関係の標本の展示室がありましたが、石川県郷土資料館の発展した県立歴史博物館には自然史関係の展示室はなく、自然史博物館も誕生しませんでした。

 石川県における自然史博物館の実現にむけての活動は、1978年に金沢大学や多くの自然研究会などの有志が中心になり、石川県自然史博物館設立準備会ができ、知事に要望書を提出して以来、今日に至るまで設置運動が延々と引き継がれてきました。

 1996年に「石川県に自然史博物館を実現する会」(以下「実現する会」)が設立され、同年に県議会に対して「石川県に自然史博物館のすみやかな実現を求める請願書」を提出しました。この請願書は、県議会で取り上げられ、県議全員一致で採択されました。これらより、自然史博物館の実現が具体的に進みだします。

 1998年には、石川県教育委員会から基本構想についての包括的な質問が「実現する会」に寄せられ、「実現する会」として「自然史博物館基本構想についての解答」および「自然史博物館基本構想」を提出しました。それを受けて県教育委員会は、2003年に「自然史資料館(仮称)基本構想」を策定し、自然史整備室が設けられました。そして、2005年7月から改修工事が開始させれ、研究収蔵棟と教育普及棟が4月に仮オープンすることになりました。また、2006年度には県立施設として条例化され、指定管理者制度の導入が決まっているそうです。

 なお、それ以後については、展示棟など整備して2009年に展示棟も新設され、2009年に全面オープンの予定です。しかし、石川県も財政悪化で厳しく、全体の予定も遅れや設計規模も縮小されているようです。そのため、「すべてが従来の経験・慣行の枠にははまらず、とにかく前進するには、あらゆる面で新しい観点と創造性、そして忍耐が求められている」そうです。

 「石川県立自然史資料館」は、「実現する会」の目標からすれば中間段階のもので、当面、この設立と充実に力を尽くし、自然史博物館に接近するのが「実現する会」の基本方針ということです。現在、既存の2棟の建物を改装工事中(研究収蔵棟+教育普及棟)ですが、基本設計では完成段階(展示棟新設)でも4000u程度にしかならないようです。設備も仮オープン当初はほとんど揃わないそうです。

石川県に自然史博物館を実現する会

  「実現する会」は、県民運動の団体で個人会員約400名、団体会員60名ほど、県会議員の約半数が顧問だそうです。

 石川県自然史系団体協議会は、その名称の通り、そのうちの自然史系団体約30団体が結集した組織で、近く「特定非営利活動法人石川県自然史センター」に移行するそうです。これは、自然史にかかわる県民の活動を総合的に支援・協力・連帯する機構(センター)で、「石川県立自然史資料館」の本体業務の管理運営を指定管理者として委託する目的をもって設立されます。また、「実現する会」は、「石川県自然史資料館」が発足すれば通常の博物館の「友の会」の役割も果たすことになるそうです。


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登録日:2007年9月20日


NPO 静岡県自然史博物館ネットワーク
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