国立科学博物館新館の見学と
特別展恐竜博2005の見学

柴 正博

最終更新日:2007年9月20日



 2005年6月12日(日)に、昨年11月にグランドオープンした東京の国立科学博物館新館と、特別展「恐竜博2005」を見学した。参加者は15名と少なかったが、わきあいあいと館内をめぐった。特別展は人気が高く、見学した日が日曜日ということもあって、入場までに1時間ほど上野公園で列に並んだ。

 特別展「恐竜博2005」は、シカゴのフィールド博物館のティラノサウルス レックス(Sue)のレブリカとその特別展セットだけでなく、中国やモンゴル、北米などから産出された多くの恐竜化石が広く揃えられていて、また「恐竜から鳥への進化」というテーマで、展示が構成されていて、ストーリーとして理解しやすく、また関連する化石なども多くとても興味深かった。

 午後からは、新館の見学となったが、新館の展示や設計思想についての概要や情報機器設備について、国立科学博物館情報サービス課課長の井上 透さんに時間をつくっていただき、紹介をしていただいた。また、展示解説用のPDA(携帯情報端末)も使用させていただいた。このPDAはそれ自体に数ヶ国語ですべての解説が内臓されていて、展示解説については直接研究者がその場所で語りかけたものを録音したものだそうで、とてもわかりやすく編集されていた。PDAの展示解説システムについては、将来的には携帯電話などを利用するなどが考えられるが、現在の利用法としてはとても快適に利用できた。ただし、すべての解説を聞いていたり見ていたりりすると4〜5日かかってしまいそうで、じっくりと時間があって学習するときには重宝なものとなるだろう。

 新館のグランドオープンは、すでに数年前に一部公開されていた新館展示フロアの奥に、各フロアごとその1.5倍ほどの展示スペースが付加される形で展開されていた。そのため今までの展示はイントロダクションといった感じで、その奥に各テーマで展示が展開されていた。

 生物の多様性の展示では、床に系統樹が光の帯で連結し、壁にはそれぞれの系統の生物が展示されていた。天井にはりっぱマッコウクジラの骨格があった。これは数年前に浜岡に打ち上げられた個体で、静岡県で確保できなかったことを残念に思いながら眺めた。

 哺乳類の剥製標本の展示は壮観で、とても広い展示スペースに、優々として今でも動き出すような姿勢で展示されていた。この多数のりっぱな剥製がすべて寄贈された標本と聞き、それにも驚かされた。
 なにはともあれ、何度か行ってじっくりと味わいたい博物館に仕上がっていた。


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登録日:2007年9月20日


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